空間の広がり |
「私の家」づくり |
我が家は当初、私たち夫婦、息子2人(9才+5才)、両親の6人家族の家として設計しました。
29坪の変形敷地にこの6人がどう住まうかということが最大のテーマ。
狭い変形敷地のため平屋という選択肢はなく、どうしても階段が必要になりますが
2階の居住空間に上がればそこは完全なバリアフリーです。
完成から5年後に父が他界し、10年後には長男が大学入学と同時に家を出て
今現在は妻と二男と私の3人家族(昨年の春までは私の母も含めて4人家族)で当初の半分の人数です。
私たち夫婦は共働き。そのため家事全般は主に妻と母がやっていました。
そんな我が家で昨年は母の介護を経験しました。今までの恩返しの想いもこめての最初で最後の介護経験。
足腰が弱くなった母をおんぶして階段を降り病院へ通い毎日おむつ交換もしました。
家事も夫婦でシェアするようになり、私も料理(レパートリーは少ないが)や洗濯・掃除・ゴミ出しなどをやるように。
お陰で晴れた日に洗濯物を干す気持ち良さを知り、最近では料理も面白くなってきたのです。
家を建てようとする場合、その時の要望の他に遠い将来のことまで考える人は少なくないでしょう。
しかし、それが今を楽しむ家だとしたら、先のことにとらわれ過ぎたらもったいない。
その将来が今思い描いた通りになるとは限らないし、それもその時の予算の中で行うことになるのです。
我が家では当初から将来の介護のことまで考えていたわけではなく、それ以上にその時の6人の繋がりや空間の気持ち良さを優先して考えました。
常に両親の気配を感じられる家にしたいと思い、2階リビングからは中庭越しに父母の部屋が見えるようにし、向こうからもリビングが見える。
親孝行の意味を籠めて両親の部屋にはシンボルツリーを眺められる専用デッキを備えました。
家族が多少の距離感を保ちつつも互いを感じられる家。
中庭からは双方に心地よい光や風が流れ込む。
6人家族それぞれにとって気持ちのいい家が出来上がったのです。
この家で、20年の時の中でいろいろなことを経験しました。
子供の成長・人数の変化・両親との同居・母の介護など・・・
これまでの日常が、家づくりという私の仕事に新たな大切な答えを見出してくれた気がします。
20年という数字をきっかけに自分の家づくりを振り返って、そんなことを想う今日この頃。
木造住宅の特徴を楽しむ |
地域のコミュニティ |
まずは実物を体感してみる |
最初が肝心 |
家庭内のコミュニティ |
3つの道具 |
子供部屋を考える |
土間 |
職人技が消えていく! |
肝心なのは「住まい方」 |
白熱灯で安らぎを |
ものづくり屋の使命 |