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 Sumire house

群馬県太田市 延べ床面積114u 2001年築木造2階 リノベーション 夫婦+子供1人 竣工2018年

ソト土間とウチ土間を楽しむ家 −2001年築の家で開放的に暮らすー
亡き両親が建てた2001年築の在来木造2階建て住宅。
クライアントからの要望は、陽当たりが悪く冬寒い・階段が上がりにくい・タバコが吸える場所の確保…などなど。基本的には建築当時のこの家の存在を極力消さずに新たに住み継ぐという考え方で双方の意見が一致し設計作業が始まりました。
東の道路側にソト土間2.6坪を最小限増築。そこはこの家の入口でもあり、ご主人の喫煙場所も兼ねながら、道路側からの光と風を室内の奥までたっぷりと取り込む屋外空間。そして、目隠し板により道路側からの視線を遮りプライバシーを確保しながら、その奥のウチ土間とも繋がり室内空間を一層開放的にしてくれます。
2階の一部屋を撤去し吹き抜けとすることで南側上部から光と風を、屋根にトップライトを設けることで北側からの自然光を、それぞれ1階まで招き入れました。この吹き抜けは2階のプライベートスペースとも繋がることで家全体を一つの空間にし家族の気配を伝えます。陽が当たらず寒い住まいは、明るく開放的な住まいに生まれ変わりました。
1階の和室は当時のままの状態で残すことでこの家の大切な記憶となっています。その他の内装仕上げは、既存のフラット天井を撤去することで建築当時の杉板張りの屋根裏を見せながら高さを確保し空間を更に豊かにしています。古い天井裏からは当時の大工さんの手仕事の跡や太鼓梁が現れました。吹き抜けにバランスよく並んだ2本の太鼓梁はまさに新旧の競演。柱の欠き込み跡は壁があったことの証としてそのまま残します。壁材は針葉樹合板で強度を補いつつそのまま化粧をせずに見せています。経年変化した建築当時の天井材と、無塗装の新しい壁材の今後の経年変化を楽しみながら暮らす。新旧それぞれの素材を感じることで、今までの記憶とこれからの未来が融合し家族を優しく包み込む家になっています。

 Before



 After